日経225先物を始めよう(日経225先物取引の比較と解説)

日経225先物を始めよう(日経225先物取引の比較と解説)

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日経225先物を始めよう

はじめに

証券会社に入社すると、必ず取得するように命じられるのが「証券外務員」の資格です。

これはⅠ種・Ⅱ種とあり、前者がやや難解(大学を出てもまだまだ勉強は続くんだなぁと実感)。そしてこの部分で先物・オプションなどの金融派生商品(デリバティブ)に関する知識を学びます。

入社一年目では現物取引のお客様のみを担当していた私にとって、先物のような商品はまさに未知の世界。

はっきり言って「私が投資家だったら絶対に手を出してはいけない領域だ!」とさえ思っていました。基本的に小心者なので。

でも・・・知識を深めるにつれて、過剰に恐れる必要はないということに気付きました。

アメリカではデリバティブを駆使したヘッジ・ファンド(代替投資)はザラにありますし、もはや資産運用という概念とは密接な関係にあるようです。

さてさて、前置きはさておき、日経225先物の解説に入っていきます(笑)。

日経225の基礎知識

①日経225先物とは?

現物取引の市場シェアの低下を懸念していた大阪証券取引所が、市場での振興を図る目的で88年9月に実施したのが「日経225先物」です。

今ではデリバティブを代表する金融商品となっており、積極的投資を好む投資家達から注目を浴び続けています。

「先物取引」というのは、将来の一定の期日に特定の数量(金額)を現時点で約定した価格で売買する契約のことです。

期日が来るまではいつでも売買が可能。売買後はその差額の授受により決済します。日経225先物は株価指数の先物ですので、日経平均株価に連動する形で推移します。

(参考)日経225先物の要綱

     取引単位 : 日経平均株価×1.000
      呼び値 : 日経平均株価で10円
    満期日 : 3・6・9・12月の第2金曜
   取引最終日 : 満期日の1営業日前
   委託証拠金 : 取引金額の15%(うちの3%は現金)
低委託証拠金 : 600万円
値幅制限 : 前日の終値から上下約5%
(上下約2%かつ原指数との乖離約1%で15分間取引停止)
 

日経225のメリット・デメリット

ここでは、日経225のメリット・デメリットをそれぞれ見ていきます。

充分な知識を身に付け、冷静に取引ができれば資産運用の強い味方となります。

メリット(1) わずかな資金で大きな取引ができる!

証拠金のみで取引ができるので、少額の資金で大きな取引が可能となります。

メリット(2) 金融資産のリスク軽減が可能!

現物株式を保有している場合、これらの株価が下落するのに備えたリスクヘッジ(危険回避)としての役割があります。

(ex 保有現物株を売っておき、予想通りに株価が下落したら先物を買い戻す。先物は高いところで売って安くなったところを買い戻すので利益が出る。この利益で損失をカバーできる。)

ただしデリバティブならではのデメリットがあることを忘れてはいけません。

デメリット(1) 決められた期日内に取引をしなければならない!

現物の株式であれば長期保有可能となりますが、先物の場合は期日が決まっています。仮に損失が出たとしても、期限になれば自動的に決済されてしまいます。

デメリット(2) 損失額が大きい!

メリット(1)で述べた「少額の資金で取引可能」というのは、裏を返せば損失した場合の金額も大きくなるということを表しています。 知名度が高く取引人口も増えつつあるとはいえ、デリバティブである以上投機的な色合いが強いということを忘れてはいけません。

日経225に向いている人は?

日経225に向いているのはいったいどういった人でしょうか?私が思う日経225に向いている人は下記のような方です。

(1)情報収集を楽しめる方

日経225に限らず、投資・投機的商品で利益を得ようとするには、やはり情報収集は欠かせないもの。「日本経済新聞」の購読はもちろんのこと、余裕があれば「月間金融ジャーナル」や「東洋経済」「エコノミスト」などの情報誌にも目を通したいところです。

ちなみに日経新聞の月曜朝刊に載っている「景気指標」の記事はかなり役立ちます。(後述の「情報収集先」の項目記事もご参照ください。)

「経済の現状」の把握・理解なくして、投機の世界で勝者となることは不可能です。

情報収集というと畏まったイメージですが、カフェでコーヒーでも飲みながら気軽に目を通してみるといった形でも良いでしょう。とにかく「情報を収集することが苦にならず、楽しめるぐらいの方」は投資に向いているといえるでしょう。


(2)リスクをも資産と考えることができ、取引自体を楽しめる方。

ハイリスクとされる日経225のような商品でも、

「安全資産と危険資産を上手に使い分ける」

という概念が生まれると、有用な資産として考えることができます。

まずは「危険資産」を「有用な資産」と捉えることが肝心です。

また、イギリスの経済学者・ケインズは「人間の深層心理には、手っ取り早い金儲けに特別の楽しみが潜んでいる」と述べています。しっかりと知識を貯えた上で、ゲーム感覚で楽しむことが必要です。

やはり皆、金儲けはしたいものですが、それを楽しむか楽しめないかは、本人の心構え次第です。楽しめなければ取引をすること自体が苦しくなってしまいますので、この心構えというのも大変大事な点です。

日経225は投資の中でもハイリスク・ハイリターンの商品ですので、リスクを楽しめるか、楽しめないか、というのは大変大事なところです。上記はあくまで判断指標の一部ではありますが、ご自身が日経225を始める際の参考にしてみていただければと思います。

取引手順について

まずは日経225先物の取引手順についてです。


①取引開始の手順

(1)取引証券会社の選定・・・手数料のみに気を取られずに、総合的に判断しましょう。

(2)口座開設・・・一般の株式口座ではなく、先物専用の口座を開きます。

(3)注文・・・感覚的には株式の信用取引と同じように、「買い」からでも「売り」からでもOK。


②慣れてきたら

(1)裁定取引

現物相場と先物相場には市場の相場観、売買の需給の関係により、価格にズレが生じることがあります。現物と先物の価格のズレが生じた時に、割高の方を売り、割安の方を買ってサヤを取るのが裁定取引です。

(2)リスクヘッジ効果を狙う

メリットの項目でも述べましたが、目先相場全体が下げそうだなという時に日経225先物を売り建てて、リスク回避をすることができます。

ただし現物と先物の価格が完全に連動するとは限らず、手数料などの諸経費も発生する為、損失を完全にカバーするのは難しいのですが、損失補填の有効な手段となります。

証券会社の選び方

①証券会社を選ぶポイント

証券会社を選ぶ際、多くの人が手数料を重視すると思います。

もちろん手数料は重要な項目のひとつですが、デリバティブを取引するとなれば総合的な判断をしなければなりません。

売買執行速度・情報量なども加味する必要があります。

手数料・取引の速度などを考慮して選定した証券会社と、情報収集のみを目的として選定した証券会社にそれぞれ口座を開設する投資家も多いようです。

つまり用途に合わせて複数の口座を持つということです。ここでは手数料のみではなく、そういった総合的な見方で選定した証券会社をご紹介いたします。

情報収集について

先にも述べたように、日経225先物は日経平均に連動していますので、国内全体の経済指標を参考にしなければなりません。

個別銘柄の取引であれば、その企業の業績などを調査するのが先決となりますが、この場合は国全体の景気・物価・金利といった、いわゆるマクロ経済要因の現状把握が必要となります。

また、アメリカのダウ平均株価や円相場の推移などの国際経済にも敏感にならなければいけません。

口座を開設している証券会社からの情報もかなり役立ちますが、それ以外にも参考となる資料が多数あります。


WEB資料

大阪証券取引所ホームページ

「先子さんの先物取引Class」というコーナーがあり、先物取引の基礎から応用まで
を伝授。

東洋経済web~オール投資DIGITAL

東洋経済新報社が運営する投資情報サイト。関連書籍の紹介も豊富。


定期刊行資料

年単位:

「通商白書」(経済産業省編)・・・日本の通商及びこれに関する世界経済・貿易について調査・分析したもの

「経済白書」(内閣府編)・・・国民経済の年間の動きを分析したもの。消費動向などが記載されている。


月単位:

「月刊金融ジャーナル」(日本金融通信社編) ・・・金融総合専門誌。学者・アナリストなどが総力を結集。

「金融」(全国銀行協会編) ・・・金融、財政、経済一般に関する論文、統計資料など。別冊に全国銀行財務諸表分析がある。

「日本銀行月報」(日本銀行編)・・・日銀が個人消費・公共投資・物価・雇用者所得、住宅投資などを評価。 


週単位:

「東洋経済」(東洋経済新報社編) ・・・経済の「今」を伝える。日本を打表するビジネス誌のひとつ。

「エコノミスト」(毎日新聞社編)・・・国内に留まらず、国際経済の領域も網羅。 新鮮な経済ニュースを提供。

「金融財政事情」(金融財政事情研究会編)・・・ 金融機関経営を始め、金融行政、金融政策に関する最新動向が掲載。


日単位:

「日本経済新聞」(日本経済新聞社編) ・・・知名度ナンバー1。経済・金融の入門書としても。

「日経金融新聞」(日本経済新聞社編)・・・証券会社の社員は大体読んでいる。投資情報満載。

書籍

先物・オプション取引入門
先物・オプション取引入門」 (ハル,ジョンC.著 ピアソン・エデュケーション)・・・仕組みがわかる。入門書としてオススメ。

ビジネスマンのための金融工学~リスクとヘッジの正しい考え方
ビジネスマンのための金融工学~リスクとヘッジの正しい考え方」 (ドージェ・ブローディ著 東洋経済新報社)・・・「金融工学」という学術的な側面から、デリバティブをわかりやすく説明している。

日経225先物と税金

日経225先物の税金に関しての解説です。
 

課税方法

・他の所得と分離
・商品先物取引による売買損益との通算が可能
・株式などの売買損益とは別に計算 

税率

 20%(内訳:国税15% 地方税5%)

申告について

 確定申告をすることで、損失の繰越制度が適用されます。その年に控除しきれない金額の場合は、翌年以降3年間にわたり繰越控除が可能です。

従って損失が出ても必ず申告をしておいた方が良いでしょう。

必要証拠金について

証拠金の概要

先物取引は、対象とする原資産の将来の値段で利益・損失が決まります。

仮に損失だった場合でも、決済は履行されます。その履行の確保の目的で、証券会社に一定の金額を預けなければなりません。それが証拠金です。

概念としては信用取引の保証金に近いものがあります。

証拠金の算出

証拠金は「SPAN®」に基づき計算された基準額をベースに、各証券会社で設定されます。

新規の取引を行わない場合でも基準額が変わればその額が適用されます。

また、相場が予想に反して動き、証拠金を上回る損失が発生する可能性もあります。そのような場合は、損失で不足した額を追加証拠金として差し入れる必要があります。(追加証拠金を「追証(おいしょう)」と言います)

(参考)SPANとは・・・シカゴマーカンタイル取引所(CME)が開発した、リスクベースの証拠金計算システム。計算ソフトをCMEから購入し、投資家自身でも計算することができる。

有価証券による代用が可能

証拠金は有価証券により代用ができます。(ただし現金不足額については現金により差し入れが必要です)

日経225mini

日経225miniで始める先物取引

従来の日経225先物への入門編としてお勧めしたいのが「日経225mini」という商品です。

日経225先物取引の10分の1の単位で取引が行えるという手軽さがあり、大阪証券取引所では2006年7月の上場以来、順調に売買高が伸びており、今後さらに認知されていけば個人投資家の間で大きく拡がっていくことが予想されます。

日経225miniの基礎知識

日経平均株価(日経225)を対象にした株価指数先物取引で、現時点で決めた価格で売買することを約束する取引です。

ここまでは先に記載した「日経225先物」と同様なのですが、「日経225mini」には以下のメリットがあります。



(1)少ない資金で運用可能



日経平均株価の100倍の値段での取引です。つまり日経225先物の10分の1の資金での取引が可能となります。



(2)日経225先物との相殺



同じSPANで計算するため、両者の先物取引を行った場合に証拠金を相殺することができます。例えば日経225miniで売りポジションを保有し、日経225先物で買いポジションを保有していた場合、証拠金を相殺することが可能となります。
       

日経225と日経225miniの比較


商品

日経225mini

日経225先物

取引単位

100倍

1000倍

呼び値単位

5円(=500円)

10円(=10,000円)

隔月取引

2隔月取引

5隔月取引

取引時間

前場;9時~11時
後場;12時30分~15時10分

制限値幅

日経225先物の同一隔月取引と同じ

現行通り

基準値段

日経225先物の同一隔月取引と同じ

現行通り

清算指数

日経225先物の同一隔月取引と同じ

現行通り

証拠金

SPAMを利用して算出。日経225mini・日経225先物間を100%リスク相殺

建て玉相殺

設けない。ただし、清算指数・証拠金により同等の効果を得ることが可能

(参考:大阪証券取引所)

日経225先物の今後

市況ニュースなどでは「日経平均は先物主導で上昇し・・・」などと聞くことも多くなりました。

デリバティブ商品が増え、デリバティブ・マーケットが拡大したことにより、先物取引が現物の株価に影響することが増えてきたようです。今や日本の株価指数先物取引は、年間合計売買代金などに関しては世界のトップクラスの位置にあります。

日経225は悪役?

先物は「裁定取引」によって、現物株の値動きに多大な影響を与えます。先物が現物よりも割高な時に、先物を売って現物を買うという「裁定取引」は、一時的に現物買いによる相場全体の上昇を促します。

しかしこの取引の解消、つまり現物株の売りが始まると、相場を圧迫することになります。

従って現物買いのみを好む投資家からの批判が起こることもありますが、その批判とは裏腹に、日経225は着実にファンを増やしているのです。

日経225はプロ受けがいい?

日経225が先物市場でシェアを伸ばし続けるのには、いくつかの理由があります。以下は私なりの見解です。

・相場を読む力に優れている機関投資家や証券会社のディラーなど、巨額資金を運用する投資家に好まれているのではないか?

・ファイナンシャル・プランナーなどの金融系の資格が普及し、「資産運用」という概念が身近なものになった。それにより投機的商品に関するしっかりとした知識を持ち、その上でチャレンジする投資家が増えのではないか?

・国内景気は上昇傾向にあるものの、個別企業の業績の伸びはイマイチ。個別銘柄を現物・信用などで取引するよりも、相場全体をカバーした日経225であれば、よりアクティブな取引ができると考える投資家が多いのではないか?

以上のような推測を立ててみましたが、いずれも共通するのは「経済・金融の知識に富み、その知識に裏付けされた積極性を持つ」人々が携わっているという点です。今後もさらにこのような投資家が増え、日経225は先物市場だけに限らず資産市場全体におけるシェアを伸ばし続けるのではないでしょうか?

225以外の株価指数先物取引

ここでは日経225先物以外の株価指数先物取引について簡略的に説明します。

東証株価指数(TOPIX)先物

88年取引開始。TOPIXは東京証券取引所が算出、公表している株価指数です。

東証第一部上場銘柄(1500銘柄以上)をカバーし、日本経済のバロメータとしての役割もあります。

日経平均株価の変動は輸出関連・ハイテクなどの値がさ株による影響が大きいのに対し、TOPIXは時価総額の大きい大手銀行株をはじめ、内需関連株による影響が大きいとされています。先物は東証に上場しており、取引単位はTOPIXの10,000倍です。

日経300株価指数先物

94年取引開始。日経300は日経新聞社によって作られた株価指数で、東証1部上場銘柄300で構成されています。

先物は大証に上場しており、取引単位は日経株価指数300の10,000倍となっています。

相場を読むポイント

相場を読むポイント

資本主義経済体制下においては、景気変動は避けることのできない現象です。このような状況の下で投資をするのですから、あらゆる分野の動向に敏感になっておかなければいけません。新聞などでチェックしておきたい項目を列挙してみました。

国内景気

・GDP(国内総生産)の実質成長率
・製造業の設備投資総額
・消費者物価指数
・日銀の金融政策について(公定歩合の引き下げ・引き上げなど)
・行政の規制緩和(引締め)について

国際経済

・外国為替相場
・国際収支(貿易収支)
・各国の貿易政策について
・資源(石油・天然ガス・非鉄金属鉱物資源など)価格の変動

投資動向

・外国人投資家の動向(ヘッジファンドなど)
・年金・公的資金の流入(用途)について
・各企業の戦略(合併などの企業再編・リストラクチャリング・設備投資)

ポートフォリオ理論

資産運用の基礎として、投資家の間で常識となっている「ポートフォリオ(分散投資)」。日経225を利用する際にも、捉えておきたい知識です。

ポートフォリオの概念

資産運用のリスク回避の手段として「ポートフォリオ」という概念があります。1つのマーケットに集中して投資するよりも、複数の種類のマーケットに投資した方が、あらゆるリスクを軽減させることが可能となります。

いわゆる「分散投資」です。ポートフォリオを形成する際には、リスクの高いものと低いものを組み込むのが一般的です。例えば「資産価格のブレ」によるリスク。

一定期間で資産価格の変動が大きいものはリスクが高く、変動幅が小さいものはリスクが低いといえます。このような商品を組み合わせる事でも、損失をカバーすることができます。

株式・投資信託・債券・外貨投資・不動産投資など、あらゆるマーケットに着目しますが、こういったリスク性のある商品だけでなく、普通預金などの安全資産もポートフォリオの領域となります。

ポートフォリオの中の日経225

メリットのコーナーでも簡単に触れましたが、ポートフォリオの中に現物株式がある場合には、日経225はリスクヘッジの手段となり得ます。

日経225先物で空売りをすると、個別銘柄の株価が下がり日経平均株価が下がったときに、片方では損失がでてももう片方では利益がでるようになります。

また、個別銘柄の株式を保有するということは、その企業の倒産リスクと背中合わせの状態にあるということにもなるので、そういったリスクの補填にも活用することができます。

デリバティブいろいろ

ここでは日経225のような「先物取引」以外のデリバティブ(金融派生商品)を紹介します。

オプション取引

一定の期間内に、一定の価格で売買する「権利」を「オプション」と言います。

オプション取引の基本パターンはコール(買う権利)の買い・売りとプット(売る権利)の買い・売りの4種類になります。

先物と同じように、現物株の値下がりに対するリスクヘッジとしても有効です。

スワップ取引

スワップとは、「交換」という意味で、等価のキャッシュ・フローを交換する取引の総称です。

2つの当事者が同じ価値をもつ「将来の一連のお金の流れ」を交換する取引です。

異種通貨の交換(通貨スワップ)や異種金利の交換(金利スワップ)等があります。

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